標準設計51C以降、2DK型の集合住宅が量産された。
築50年が経ち、借り手の少なくなった集合住宅の新しい活用方法として、学生寮へ用途転換することになった。
合計3部屋のうち2部屋をそれぞれ10人・8人の入居のプライベートルームとして、1部屋をシェアルームとして利用することとした。
我々は単なるインテリアデザインではなく、一度スケルトン状態まで解体し、新たに建築を挿入するように設えた。
「コンクリートに包まれた建築」という入れ子状の構成により生まれたコンクリートと木の間の中間的な領域が、音や風、光などの環境を柔らかく全ての個室に届けている。
“視線は合わないが、空気感は繋がっている。”
共同で住むことにおいて、プライベートとパブリックの関係を断絶するのではなく、できるだけグラデ―ショナルな状態を生み出した。
インテリアにおける建築的なアプローチによって、一般的な集合住宅に特別な価値を生み出すことができた。
DATA
Usage
area
completion
dormitory
105.84㎡
2023/3
CREDIT
Lighting design
Filaments Inc.
Construction
Design Office SHIROYAMA+中央建設株式会社
Photo
Hiroki Isohata